テーマは、熊本県玉名郡菊水町を流れる菊池川の左岸台地にある江田船山古墳である。全長62mの前方後円墳で盾型の周堀をめぐらし、円筒埴輪を樹立していた。明治6(1873)年、地元民により発掘され、横口式家形石棺から豊富な遺物が出土した。 その中で最も注目されたのが、75文字の銘をもつ銀象嵌太刀である。右写真(先端部)に「治天下獲□□□鹵大王世奉事典曹・・・」とあり、埼玉県稲荷山古墳から出土した金象嵌の鉄剣同様、ワカタケル大王=雄略天皇に仕えたものが造らせたものと判った。(一部、反正天皇とする学者もあるが・・・)。 ほかに銅鏡、金銅製の透彫冠帽・飾履、純金製垂飾付耳輪などが出土しているが、これらが、中央の大和政権からもたらされたものか、または、韓半島(新羅・百済など)からダイレクトに入手したものか? 群馬県の綿貫観音山古墳からも、忠清南道公州市の武寧王陵から出た鏡と同型鏡が出土するなど、当時の地方の王権と韓半島との関係も問われている。 ↓ 銘文の書かれた位置(刀身の背)と解読法をスライドで解説 ↓ 出土した遺物の紹介。履以外は鮮明に撮れなかったのでネットから借用。 これらは、いずれも国宝として東京国立博物館にあるというので、翌28日、望遠マクロで鏡面をバッチリ撮ろうと出かけていったが、生憎、閉室中との掲示あり。 大塚講座の昨27日午前、初台のオペラシティでの美術展へ寄ったら 《月曜休館》。その前の15日、国会図書館では《第3水曜日休館》、等、今月だけで3回、無駄足を運んでいる。《反省:出かける前に確認しよう》 なお、東博で、無駄足ともいえないオマケがあった。ミュージアムショップでみつけた本「卑弥呼 -女王創出の現象学-」。 泉大津市にある《大阪府立弥生文化博物館》が、今年5月1日~7月5日に開催した「リニューアルオープン記念 平成27年度春期特別展」の図録で、《卑弥呼の鏡》 約40面が、1ページに1面の割りで鮮明に印刷されていた。155ページ。
by from76
| 2015-07-29 11:08
| 古代史を訪ねて
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