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茨城の古墳を訪ねて (2016/4/7)

前方後円墳研究会・春の古墳探訪。今回は《茨城県の古墳》を訪ねた。7:30 雨の中、貸し切りバスにて明大前を出発。9:30JR勝田駅で3名をピックアップして、9:55 最初の訪問先《馬渡埴輪製作遺跡》に到着した。
 ↓ 公園として整備されている《馬渡埴輪製作遺跡》。表土のすぐ下から良質の粘土が採取されるので、この地で、5世紀末から約100年間、多くの円筒埴輪・朝顔形埴輪・人物(武装・平装)・器財・馬などの埴輪が制作された。目の前の緩斜面に、半地下式の登り窯あるいはトンネル式の登り窯があった。焼成温度は1000度以上に達していたと考えられている。
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 ↓ 次の訪問先《虎塚古墳》(全長56mの前方後円墳)。
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 ↓ 石室内見学者用の入口。一般公開は年に2回、春と秋に10日間、一度に6人ずつ入って、詳しい説明を聞く。ただし、有名な装飾壁画はガラス越し、しかも、両側面はよく見えない。そこでレプリカで観察することに。
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 ↓ 2014年3月 茨城県立歴史館でスナップ
奥壁の壁画:三角文・環状文・武器(槍・太刀)・武具(ゆき・鞆
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左壁の壁画:三角文・円文・弧線文・馬具 
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右壁の壁画:三角文・渦巻き文・武具(ゆき・楯)・首飾り・馬具
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 ↓ 近くに《十五郎穴横穴群》あり。約1kmの広がりのなかに300基以上の横穴墓があると推定されている。7世紀中頃~奈良時代。西側の35号墳から正倉院御物に類似した刀子が出ている。
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 ↓ 《ひたちなか市埋蔵文化財センター》に展示してあった《乳飲み子を抱いた埴輪》
ひたちなか市大平1丁目地内の大平(おおだいら)古墳群の中で,かつて存在していた大型前方後円墳(推定全長約80m)から出土したものである。高さ27.5㎝,両腕間の幅28.0㎝,顔の長さ12.5㎝,顔の横幅(両耳間)12.5㎝。腹部以下が欠けているが,それ以外はほぼ完形で,わずかに右手首及び束ねた結髷の一部を欠いている。

胸には,この埴輪の大きな特徴である乳飲み児がしがみついており,左乳房にしっかりと吸いついている。右手首は欠けているが,乳飲み児の下部をおさえていた痕跡が残っている。焼成などの造りは極めて精巧で,庶民的な風格をもち,伸び伸びとした作風の埴輪である。慈愛に満ちた母親の愛情を巧みに表現しており,このような造形の埴輪は,全国的にも珍しい(平成9年茨城県指定文化財に登録)
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 ↓ 外は雨、ということで室内で集合写真を
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 ↓ 石岡で昼食後、訪問した《舟塚山古墳》 全長250m、県内最大の前方後円墳。築造は5世紀後半
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 ↓ 後円部の墳頂から前方部を望む
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 ↓ 2015年4月訪問時は、覆いがかぶせられていたが・・・
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 ↓ 向かい側の《府中愛宕山古墳》
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 ↓ 前方部に上がり後円部を望む
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 ↓ 《小美玉市・玉里資料館》にて学芸員から小美玉市の遺跡について説明を受ける。
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 ↓ 《玉里舟塚古墳》 全長72mの前方後円墳。6世紀前葉の築造。
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 ↓ 後円部中央に石棺の位置を示す石の版有り。石棺の上蓋だとか・・・
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 ↓ 発掘を担当した明治大学・大塚初重名誉教授が揮毫した石碑
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 ↓ 美しく復元・整備されている《三昧塚古墳》
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 ↓ 後円部墳頂に埋納状態を示す図あり。
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 ↓ 同上の説明
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 ↓ 図上の被葬者がかぶっていた《馬形飾付透彫金銅製冠》 ~茨城県立博物館にて~
上縁の8個の馬形飾り金具は、霊魂を他界へ導く馬を表しているのではないか(『霊魂を運ぶ馬』説)
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 ↓ 雨も上がって、屋外で記念撮影
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 ↓ 最後の訪問先《大日塚古墳》 主軸長約40mの帆立貝型古墳で6世紀代前半の築造。
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 ↓ 後円部中心から約3m南に横穴式石室有り。
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 ↓ 石室は、奥壁・両側壁・天井石とも厚さ約20cmの雲母片岩で構成されている。
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16:25 この先の予定《富士見塚古墳》を残して土浦駅に向かい、駅前の居酒屋で17時から2時間、反省会。のち現地解散、殆どは特急ではなく各駅停車で・・・

天気予報は、「午後になるほど風雨強し」だったが、後半は傘なしで歩け、汗をかくこともなく、けっこうな古墳探訪の旅となった。歩数計は、14,560歩。
by from76 | 2016-04-09 14:50 | 古代史を訪ねて
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