魏志倭人伝の虚と実 (2013/10/10)

16時~18時15分 「明治大学博物館友の会」主催・「友の会創立26周年記念連続講演会」の第4回
 『中国正史から見える倭国 ―「魏志倭人伝」に見える倭国の虚と実』 に参加した。講師は、早稲田大学学術院教授の渡邉義浩氏。

吉川英治の「三国志」に魅せられて、理系志望を中国史家にかえたという講師。ホワイトボードいっぱいに書きまくり、早口でエネルギッシュに語りまくり、あっという間の2時間。教室は、いつもの会場とは異なり、道路一つ隔てた「グローバルフロント」の4031教室。定員100名とあったが、120名を詰め込んだ由。

b0048558_7353883.gif3世紀の中国の史書「三国志」の中で、当時の日本について描いた部分がある。「魏志倭人伝」と称されるものだ。「帯方郡(今のピョンヤン辺り)の東南に『倭人』が国や邑をつくっている。もともと100余国あったが、それを統一したのが邪馬台国の卑弥呼である」として、その、邪馬台国に至る道程を示すのだが、文字通りにたどると、中国大陸の東南、福建省の沖合になる。

そこで日本の歴史学者は、距離を示す「里」の解釈を変えたり、方角の記載ミスを指摘したりして、邪馬台国の九州説と纒向説とが対立してきた。

これに対し渡邉教授は、「魏志倭人伝」には、使者の報告などに基づく部分と、「三国志」の著者・陳寿のもつ世界観や置かれた政治状況により著された観念的叙述の部分とがあるため、両者を分けなければならないと提言する。

つまり「倭人伝」は事実と理念を混交しており、陳寿は、その立場上、「邪馬台国」を大陸の東南に置かざるを得なかったというのだ。

11ページにわたる資料を頂いたが、教授が昨2012年に出版した岩波新書を、3軒ほど書店を回ったが棚に無く、amazonから取り寄せる。

巻末に原文と訓読、さらに現代語訳と補注あり、講演で聞いたことを思い出しながら、推理小説を読む気分で読むことにしよう。

                   渡邉義浩のホームページ
by from76 | 2013-10-11 12:04 | 古代史を訪ねて | Comments(0)
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